Column

MacとWindowsを1台のモニターで使う。Parallelsでは解決しないこともある

僕は普段、ほとんどの仕事をMacでしています。

映像編集も、写真も、WEB制作も、文章を書くのもMac。
なので長いこと、「Windowsが必要になってもParallels Desktopかリモートデスクトップがあれば何とかなる」と思っていました。

実際、普通のWindowsアプリを使うだけなら、それでほとんど困りません。

ところが最近、特許の電子出願をすることになって、その考えが変わりました。

「Windowsが動く」と「Windows PCがある」は同じではない

特許庁のインターネット出願ソフトを使うため、Windows環境が必要になりました。

最初は当然、

「Macの中でWindowsを動かせばいいじゃん」

と思います。

Parallels Desktopもある。
Windows Appを使ったリモート接続もある。

でも、行政系の電子申請になると話が少し違ってきます。

ICカード、電子証明書、カードリーダー、専用ドライバー、Windows専用アプリ。

こうしたものが組み合わさると、単に「Windows 11が起動している」だけでは足りない場合があります。

少なくとも今回の僕の環境では、最終的に物理的なWindows PCを用意するのが一番確実でした。

そこで購入したのが、小さなWindows 11 ProのミニPCです。

問題は「Windows PCをどこに置くか」だった

Windows PCを買ったところで、僕はWindows用にもう一台モニターを置きたいわけではありません。

机の中心には、普段Macで使っているBenQの4Kモニターがあります。

理想は単純です。

Macを使うときはMac。

行政申請などでWindowsが必要なときだけWindows。

しかも、毎回ケーブルを抜いたり挿したりしたくない。

そこで最初に考えたのが、

Mac → USB-C
Windows → HDMI

という接続でした。

ところが、購入したWindows PCのHDMI出力がどうもおかしい。

Windowsからモニターを検出できず、再起動しても信号なし。
BIOS画面すらHDMIから出ません。

ケーブルが悪いのかと思って同じHDMIケーブルをMacにつなぐと、普通に映る。

モニター側も問題ない。

どうやらWindows PC側のHDMI出力に問題がありそうです。

そこで初めて、ある端子の存在を真面目に意識しました。

DisplayPortって、そういうものだったのか

モニターの背面を見ると、

「DP-IN」

という端子があります。

DisplayPortです。

名前はもちろん知っていました。

でも映像制作を仕事にしていても、僕が日常的に触るのはHDMI、SDI、USB-C、Thunderbolt。

DisplayPortを積極的に使ったことは、ほとんどありませんでした。

調べてみると、これが面白い。

DisplayPortは、テレビやAV機器ではなく、もともとPCとディスプレイを接続する用途に強い規格です。

デスクトップPCとPCモニターの世界では、むしろごく普通に使われています。

一方でMacは、現在DisplayPortの形をした端子をほとんど搭載していません。

でもDisplayPortが消えたわけではありません。

USB-CやThunderboltの中を、DisplayPortの映像信号が通っています。

つまり、形が変わっただけです。

MacはUSB-C、WindowsはDisplayPort

ここでようやく答えが出ました。

僕のBenQには、

USB-C
HDMI
DisplayPort

の入力があります。

だったら、

Mac → USB-C
Windows → DisplayPort

にしてしまえばいい。

モニター側で入力を切り替えるだけで、同じディスプレイをMacとWindowsの両方で使えます。

ケーブルを抜き差しする必要もありません。

Windows PCを普段はリモート操作して、物理Windows環境が必要なときだけDisplayPortへ切り替える。

これなら机の環境もほとんど変わりません。

Appleのディスプレイだと、こうはいかない

ここで改めてBenQのモニターが便利だと思いました。

Apple Studio Displayのような製品は、Macとの組み合わせでは非常に美しい。

ただ、複数の映像入力を切り替えながら使うという思想ではありません。

HDMIもDisplayPort入力もありません。

一方、BenQのようなPC向け・クリエイター向けモニターには、USB-C、DisplayPort、HDMIと複数の入力が用意されています。

Macだけを使っていたときには、それほど重要だと思っていなかった機能でした。

ところが物理Windows機を一台追加した瞬間、その意味が分かりました。

HDMIだけが映像端子ではなかった

映像の仕事を長くしていると、逆に「映像端子=HDMI」という感覚が強くなることがあります。

カメラからモニター。

レコーダーからテレビ。

家庭用AV機器。

この世界ではHDMIを見る機会が圧倒的に多いからです。

でもPCの世界まで含めると、少し景色が違います。

テレビ・AV機器ならHDMI。

PCモニターならDisplayPort。

MacやノートPCならUSB-C / Thunderbolt。

業務映像ならSDI。

それぞれ得意な場所が違います。

知らなくても困らない。

でも、知った瞬間に配線がものすごく楽になる。

こういう情報は、意外と誰も教えてくれません。

「MacとWindowsを使う」で検索しても出てこない答え

「MacとWindowsを両方使いたい」

と検索すると、たいてい最初に出てくるのは、

Parallels Desktopを使う。

仮想マシンを使う。

リモートデスクトップを使う。

という話です。

もちろん、それで解決する人も多いと思います。

でも、

「行政の電子申請で物理Windowsが必要になった」

「ICカードや専用ドライバーを確実に使いたい」

「Mac中心の環境は崩したくない」

「モニターをもう一台置きたくない」

「毎回ケーブルを抜き差ししたくない」

というところまで条件を入れると、答えはまったく違ってきます。

僕の場合は、

MacはUSB-C。
物理Windows PCはDisplayPort。
同じBenQを入力切替で共有する。

でした。

たったそれだけの話です。

でも僕は、この答えにたどり着くまでDisplayPortのことをほとんど意識していませんでした。

映像の仕事をしているのに、です。

こういう「誰も教えてくれないけれど、知っていたらかなり便利だったこと」を、これから少しずつ残しておこうと思います。